ゲラウト!

困難に立ち向かい、ただひたすらに遊べ!

サムライ共よ、B2Bビジネスを開拓せよ

トーマツベンチャーサポートが主催する、「宮崎ベンチャーサミット」に参加した。
そこで拝聴した、プラス株式会社の伊藤羊一さんの講話が面白かった。B2Bをターゲットとするベンチャーの心得というもの。

B2Bを狙うベンチャーの心得

そもそもベンチャーはB2Cを狙う傾向にある。そこには起爆力があり、ベンチャーが持つ少ないリソースでチャレンジしやすい土壌ができているためだ。
対してB2Bを狙うにはまず営業力が必要。
相手にする顧客企業には、事業のサイクルが出来上がっており、そのサイクルを壊したくないと企業側は考えるのだ。
しかし、だからこそ可能性がある。ベンチャーが尻込みするところだからこそ、これからのベンチャーが目指す場所でもあるのだ。
イノベーションベンチャーから生まれる。どのフィールドにもベンチャーが切り拓く道はあるのだ。

武装して挑む

ではどうすればいいのか。重厚な企業に切り込むにはちゃんとした準備(営業力)が必要となる。
講話の中では、B2Bベンチャーの心得として以下のポイントを挙げられた。

  1. ターゲットを研究する。誰がどのように事業をまわしているのか。

  2. ターゲットが感じている痛みは何かを考える。提供するサービスが、そこでどのように役に立つのか。

  3. トップにアプローチできるか。ターゲットの意思決定者を特定できているか。

  4. 伝えるテクニックを鍛える。プレゼン力。これに尽きる。

  5. 自分のリスクを神経質に考える。

1〜4は良く考えるポイントだが、5の「自分のリスクを神経質に考える」はなるほどと思った。
つまりこういうことだ、企業はいつ吹き飛ぶか分からないサービスに自社の一部を託すのに慎重になる。なので、ベンチャーは自分の弱み、リスクを徹底的にリストアップし、それらへの対策をアピールできるよう準備すべきなのだ。
極論、サービスの提供をSTOPするときにもターゲット企業の不利益にはならないような安心感を与えられないといけない。

僕の実体験からもこれは大いに賛同できる。

安心感へのフィー

今、僕はB2Bのプロジェクトに携わっている。それはバイラルもしないし、いわゆるアイスホッケー・スティックのような爆発曲線を描くこともない。開発力よりも営業力、カスタマー力がとても重要となる。お問合せはメールにて、なんて企業に通用するはずもなく、コールセンターの設置(サポートチームの発足)は必須となる。
ただ、そのようなしっかりとした基礎を作れば、企業は対価を払ってくれる。企業の有料転換率、継続率は、コンシューマー向けのそれとは大きくかけ離れて高い。そしてARPUも当然高い。

顧客サポートは、初めの頃はエンジニアが通常業務と平行してやればよい(僕達もやった)。しかし、ユーザー規模が大きくなる兆しがあるタイミングで準備しないと間に合わなくなる。カスタマーや営業の器以上の成長拡大は見込めないのだ。いい製品だから勝手に売れるなんて考えちゃいけない。今は必要としないが、今後の拡大のための投資が必ず、そして常に必要となる。これはベンチャーにとってはとても重い課題だろうと思う。

では、ベンチャーだからこその強みはなんだろうか。
僕は以下の様に考える。

営業は草の根をかき分けるような泥臭い戦術を

サポートは製品を愛し、ユーザーを愛する精神を

そしてエンジニアは、営業の訴求力を高める機能改善、サポートの問い合わせ縮小に繋げる機能改善をやること。

当たり前のことではあるが、一般の中小企業では浸透しづらいこれらをベンチャーマインドならやってのけられる。
そこにベンチャーの強みがあるのだ。