ゲラウト!

困難に立ち向かい、ただひたすらに遊べ!

社長は少しバカがいい。

エステー株式会社会長 鈴木喬


独裁的な方針でチームを引っ張る。
製品企画から設計方針、そして営業まで統括するスタイルの社長。
自分の勘を信じ、「消臭ポット」を始めとするヒット商品を世に出した。

鈴木氏はこう言っている。


「独裁でなければスピード経営はできない。」


変化の激しい業界ではスピードが企業の生死を左右する。そのためには、経営者の思いをすぐ形にできるチームが必要なのだ。
鈴木氏がエステーの社長に就任したとき、役員の大半が彼に反感を持っていた。会社の経営状態も良くなかった。
彼は反発する役員を除し、バランスシートの健全化のため、不良在庫を徹底的に捨てた。

不良在庫は資産に計上されるがそれは本当の価値ある資産ではない。在庫を処分したらPLの見栄えが悪くなるので在庫を捨てれないでいるだけだ。

初めはそうやって一人で戦っていたが、成果が見え出すと賛同する社員が現れるようになった。
そうして、「消臭ポット」の発売につながったのだ。


鈴木氏は云う、過去を全面否定できるのは社長だけだ、と。
破壊的イノベーションは社員だけではつくれない。

いちサラリーマンとしては悲しくもあるが、小規模の会社であるならば彼の言うことは正しいと思う。
社長の強さが無いと社員はついてこない。
社長が情熱を持っていないと山は動かない。
社長は自分が正しいと思うなら、誰に臆することなく徹底的にやるべきなのだ。それでも社員が付いて来てくれるよう、しっかりと根回しをしておくべきなのだ。その自信がもてない社長は勝ち残ることができないだろう。
鈴木氏の考えを読み解くと、そう思えてならない。



「独裁」との言葉は嫌悪感を抱きやすい。
何か、考えに偏りがあり正確な判断ができない、そんな印象を持ってしまう。
しかしそれは、独裁者の中で正確な判断ができれば済む話しでもある。
極端にいうと、三人で出す結果を一人でだせればそれでいいのだ。
それよりも独裁で得られるスピード感が、現代のネットビジネスを始めとする現場で有効なのだ。

なんかこれは、サイバーエージェント藤田晋氏にも通じる部分かなと感じた。


最後に、本書でとても気に入った部分を書き留めておく。

この頃は、絶対に反省しないと決めた。
もちろん、失敗した原因を突き止めて、次に活かすことは重要だ。だけど、いつまでもクヨクヨしてたって元気がなくなるだけ。それよりも、笑ったほうがいい。
  (中略) 
バカみたいな冗談でも言って、笑ってたほうが脳みそは動いてくれる。


社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則

社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則